書院 +啓林堂書店リノベーション

本を読んで心を整える。感動や希望を胸に次の行動に移る。本は人生を変えるほど影響力がある。

既存の大きな窓に障子を施し自然光を拡散させた。その柔らかな光の中で人の思考はより自身の内面に向かうだろう。囲われた1人の空間で本を読めばより思考は深まるだろう。壁に向かって集中も良いだろう。格子状の天蓋の下ではグッと天井が下がることで空間が落ち着き心穏やかになるだろう。

書院の内装や様々なシーンが、そんな人々のブックライフの背景になれば良いと考えている。

既存の塩ビタイルやビニールクロスを剥がしたままを仕上げとした。ビニールクロスを剥がすと紙が残る。床の塩ビタイルを剥がすとノリの後が残ったコンクリートとなる。

本に集中してもらう為のこの空間には余計な装飾はノイズでしかない。むしろ紙やコンクリートの質感は静かに自然光を受け、自身に向き合える「書院」に相応しい空間となっている。

奈良の玄関に位置する啓林堂書店。

本を通じて地域の人々の生き方に希望を与える。奈良に暮らす我々が誇る書店。

 

クリエイティブディレクション: オフィスキャンプ 坂本大輔

グラフィックデザイン: 勝山浩二

設計監理:ひとともり 長坂純明 (アシスタント北川和正)

照明設計:大光電機 村西貴洋

施工: 嵩倉建設

撮影: 河田弘樹

 

近鉄奈良駅前 啓林堂書店

既存書店の改装
天井照明を消灯し本棚に光を集中させることで、光の重心を下げている。

看板が天井になりレジスペースとなる。